今日は最初からブリック(複合)トレーニングの予定だったので、ローラーでのZwiftからのランニングを選択。
この週1回のブリックではバイクパートで高強度を入れたいので、今回選択したのがSST(ショート)というパワートレーニングメニュー。
パワートレーニングって何?SSTって何?とよく質問されるので今回はその説明を。
SSTとはSweet Spot Trainingの略。無酸素運動直前のまさしく有酸素運動のスイートスポットを重点的に攻める。
限界に近いけど限界じゃないので1時間ぐらいは続けられるという、真綿で首を絞めるようなマゾトレーニング。
まず、パワートレーニングの基礎知識としてFTP(Functional Threshold Powerの略)というものがあり、日本語に訳すと「実効出力閾値」意味は1時間出力し続けられ、それ以上は出力できないというパワーで、サイクリストにおける持久的な運動の指標となるもの。
ちなみにこれを計測するFTPテストは、20分間きれないように限界まで出し切るというもので、これ自体が地獄だがこれをやらないことには自分のFTPが算出できないので仕方なくやるものである。ちなみに私のFTPは300w(ワット)です。
そして、強度で管理するパワートレーニングは以下の6LVに分かれる。
* L1 (リカバリー) …~60%: 血流を促進させて筋肉疲労を回復
* L2 (エンデュランス) …60~75%: 低強度の有酸素運動
* L3 (テンポ) …76~89%: 中強度の有酸素運動
* L4 (乳酸閾値 LT) …90~104%: いわゆるFTP付近。筋肉に乳酸が蓄積されない限界の強度
* L5 (最大酸素摂取量 VO2MAX) …105~118%: 有酸素運動の限界
* L6 (無酸素運動容量 AC) …119%~: 短時間高強度での無酸素運動
有酸素運動はL1〜L5の5段階。L6になると、どんなすごいアスリートでも長時間は持たない。
SSTは、L3とL4の境界線付近【スイートスポット】を長時間続けるトレーニング。要するに、無酸素運動にならないギリギリのラインをキープし続ける=体への負担を抑えつつ、有酸素運動できる基礎ラインを押し上げるトレーニングなのである。
ロードバイクやマラソンなどの持久系運動において、他の人がL6になってしまう領域でもL5以下を維持することができれば、同じパワーウエイトレシの場合絶対に負けることはない。と言うこともできる。(実際は他の影響も大きいが)
トライアスロンにおいてもローラーでのバイクパワートレーニングは有効で、
・ランで追い込むと怪我しやすい
・安全に強度を高められる
というメリットがある。
今回のようなSSTトレーニングをロードバイクの実走で行う場合、1時間もの間限界近いパワーで踏み続けられる環境なんてそれこそ乗鞍などのヒルクライムでもないと無理である。
それが室内で、信号もなく落車や交通事故の危険も絶対にない環境で行えるのはローラーならでは。
揃えなくてはいけない機材の初期投資は決して小さくないが、パワートレーニングに興味があるならぜひとも挑戦してみてほしい。
コメント