きっかけはトライアスロンでした。
【この記事は2019年12月14日に加筆・修正しました】
自転車トレーニングで体重が減った僕は、次に無謀にもトライアスロン挑戦を目論みました!まずは大嫌いだったランニングに挑戦です!
デザイナーという仕事柄、いろんな方と出会うことが多いのですが、最近会社の経営者の方や銀行の方などで「トライアスロン」をされている人とよく出会います。
僕の住んでいる京都府南丹市は「京都丹波トライアスロン大会 in 南丹」が毎年行われてる場所でもあり「東裏さんも挑戦しませんか?」とお誘いを受けました。
最近しっかりトレーニングもしているけど、実は僕「走るのが人生の中で一番嫌い」と言うほど、走ることを避けて生きてきたんですよね・・・。
でも、トライアスロンへの興味は募るばかり。そして、一念発起してランニングの練習を始め、半年後の「亀岡ハーフマラソン」に挑戦することにしました!
走るのを避けてきた人生
中学時代から柔道や空手といった格闘技を行い、体重が重く重量級で持久力はてんでダメ、ひたすら瞬発力を鍛えていた僕。
中学時代にすでに85kgを超え名実ともに重量級僕は、何よりも走ることが嫌いでした。体育の持久走も地獄。1500m走るのも実際無理。走ることからひたすら逃げ続ける学生時代でした。
社会人になっても町道場などで柔道は続けていましたが、30代を前に膝を壊して競技をやめて以来、一気に体重が100kgを超えてしまいました。
競技をやめても、競技時代と同じ量を食事を続けていたのが全ての始まり・・・。最高で108kgまで行きました。
仕事がデザイナーだったこともあり、基本一日中パソコンの前に座っているだけの生活。「これではイカン!」と一念発起してジョギングを始めましたが・・・すぐにひざ関節を痛めてしまいました。
もともと膝の靭帯を痛めて競技をやめたのですが、100kgを超えた体重が古傷に与えるダメージは大きく、また持久力を支える心肺機能も全くなかったので、1km走るのも無理でした。
そこで、膝に負担をかけずにできるトレーニングとして始めたのが「自転車」。
すぐに体重は100kgを切りましたが、そこから95kgあたりを行ったり来たり。当時の乗り方は雨の降らない週末を選んで、月に3〜4回100km以上を乗るという乗り方。たま〜に200kmほど走って自己満足する、という感じでした。
体重を落とすきっかけは「Zwift(ズイフト)」でした。
その後結婚して子供ができ、全く自転車に乗る時間が取れなくなり気づけばまた100kg越え・・・
そんな中、唯一自由に時間を使える「早朝の1時間程度」に自転車に乗るために、導入したのがZwiftでした。
結果的に、パワーメーターと心拍センサーで正確に出力を図り、短時間で集中してインターバルトレーニングを行うことで、みるみる体重が減っていきました!
Zwiftを始めた2019年2月が98kg、2019年12月現在、体重は85kg。なんと半年で13kg減です!
Zwiftと連動するのスマート対組織計を導入したのですが、98kg時点での筋肉量が68kg。86kg時点での筋肉量も68kg。体脂肪率はなんと28%から17%まで下がりました。食べる量は全く変わっていないのに体脂肪だけ落ちるという結果に!
42歳。人生で初めてランニングに挑戦してみた
で、冒頭に戻ります。Zwiftでインターバルトレーニングを続けてそれなりに鍛えた僕。トライアスロンの話を聞いて「もしかしてランニングできるんじゃないか?」と思い、無謀にも走ってみることにしました。
結果・・・
何と8km走れました!
人生で何よりも嫌い、中学校の持久走1500m以来まともに取り組んだことのなかった長距離走。それが何と自宅から2駅先の駅までの往復8km走れるようになっていたのです。
これは想像ですが、多分何のトレーニングもせずに体重98kgでランニングを開始していたら、もちろん走れなかったでしょうし、また膝や体のどこかを壊していたと思います。
とにかく、きついローラー台のインターバルトレーニングをZwiftで楽しく行うことで、体重を落とすだけでなく心肺機能も相当鍛えていたのだと思います。
マラソン界隈でもオススメされる「クロストレーニング」
後で知ったことですが、マラソン界隈でも自転車や水泳をトレーニングに取り入れる「クロストレーニング」が話題になっていました。
ランニングで心拍数の高強度ゾーンを鍛えようとすると、相当追い込まないと不可能です。特に初心者が必死で「全力で走る・休む」を繰り返せば、膝や筋肉に相当の負担がかかり故障するのは確実です。
ところが、自転車では人体で最も大きいハムストリングなど体幹から太腿周りの筋肉をメインに使うため、関節に負担をかけずに心肺を追い込むことが簡単にできます。
その効果は初ハーフマラソン挑戦で実感できることとなります。
変化していったトレーニングメニュー
7月に走り始めた頃は、とにかく走れるのが楽しくてトレーニング効果などは考えずに走っていました。出張先でも早起きして走る「旅ラン」も新しい楽しみに。ロードバイクしか知らなかった時は、出張先にロードを持っていくことはなかったので、旅先でスポーツをする面白さは全く新しい世界でした。
自宅からすぐに林道に入れるので挑戦してみたのが「トレイルランニング(トレラン)」。山の中を走るのは涼しくて気持ちよく、特に夏場は早朝でも暑さが耐え難いので走るといえば山でした。不整地の地面を走るのは衝撃も少なく、走った後の疲れもアスファルトより少なく感じます。
この頃から走るためのアイテムを少しずつ買い揃えていきました。
いわゆる「ランニングウォッチ」です。僕の場合はトライアスロンでも使用できるモデル、と言うのがマストだったので、その条件を満たす中からベストバイをチョイスしました。
欲しい機能が、GPSあり、ランニング、スイム、バイクを含めて様々なトレーニングやレースに対応、時計単体で心拍数を計測できる、海水でも使用可能な防水、Stravaへ自動リンクできる。
逆に必要ないのがタッチパネル(濡れると効かない)、高度計(GPSで対応できる)、ナビゲーションマップ(スントアプリから読み込みで対応できる)。
これでアマゾン実売価格が2万円程度です。特に僕はロードのサイクルコンピューターがガーミンではないので、北欧モデルのスントに一目惚れでした。
バッテリーの持ちも良く(ロードバイクでの1日ライドでも余裕)、心拍数と歩数を常時計測してくれるので活動量計としても優秀です。
ちなみに僕はAmazonのサイバーマンデーで18,000円で買いました!Amazonのセールではかなり安くなるのでオススメです。
ブラックとシルバーメタルを組み合わせた本体が、日常遣いでも全く違和感がありません。トレーニングから営業先での勤務までいつもつけています。
スイムで心拍を図るには、スントの場合はこれが必須です。
水中で心拍を計測する場合、通常の方式では計測することができません。なぜなら、腕時計型スマートウォッチの心拍計で採用されている光計測が基本的に不可能。胸ベルト式の場合、ANT+もBluetoothも水中では不通になります。
その問題を解決するために、Bluetoothでペアリング後に計測できない状態(水中)になると、その間の心拍を心拍計内でメモリーし、再び通信可能になった時に時計にデータを送る機構となっています。
トレラン(トレイルランニング)に定評のあるフランスのブランド「SALOMON(サロモン)」のランニングキャップとウエストバッグです。
このどちらもAmazonの「Prime Wardrobe(プライム ワードローブ)」で購入しました。プライム ワードローブは、Amazon Prime会員のみのサービスですが、購入前に7日間無料で試着できると言うビックリのサービスです。比較検討のために他の商品や別のサイズの商品を試着して、気に入ったものだけを購入できます。もちろん、気に入らない場合全部返却すれば0円。返却は送られてきた段ボールに詰めて返送するだけなのでとても簡単。僕はPrime Wardrobeで商品がある場合は必ず使うくらい重宝しています。
キャップは他のメーカーのものと合わせて3つを比べて購入して2つを返却。ウエストバッグはいくつかのカラーの中からブラックを選択して他を返却しました。実際に自分のiphone6+が入るかも試して、入ることを確認してから購入できました。
サロモンのウエストバッグは専用のボトルもついているのでオススメです!
熊鈴とホイッスルです。山を走るトレランの場合は必ずつけています。
まず熊鈴。僕の住んでいる京都南丹はかなりの田舎で熊がよく出没します。保険のために山に入る場合は必須のアイテム。最近は都会でもちょっと山に入ると熊がよく出るので安全のために絶対つけた方が良いです。このモデルは引っ張るだけで簡単に消音できるので、街中では消音、山に入ったら鳴らす、と言う流れがとてもスムーズに行えます。
ホイッスルは滑落や遭難した場合に居場所を知らせるもの。大きな声を出すのは体力を消耗します。ましてや滑落して骨折や出血をしていれば声を出すことも難しいです。そんな時、このホイッスルがあれば救助に結びつく可能性が飛躍的に高くなります。
この2アイテムはそれほど高いものでもないので、トレランにちょっとでも興味があれば持っておくべきアイテムだと思います。
汗止めのヘッドバンドです。この商品に出会ったのはロードバイク鈴鹿8時間耐久エンデューロの物販コーナー。ロードバイクで走る際に額から目に汗が入って非常に不快だったんですが、このヘッドバンドを使うようになってからはほとんど汗が目に入らなくなりました。
ロードバイクで使っていたものをランニングでもキャップの下に付けていましたが、ヘタってきたので2個目を購入しました。
汗止めバンドがあると無いでは大違い!本当に重宝しています。
現在僕が愛用しているランニングシューズ「HOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)」です。厚底ソールのランニングシューズでロードからトレイルまで対応でき、足への衝撃を本当にやわらげてくれます。
僕が使っているモデルは「クリプトン5」。軽量性、優れたクッション性、反発性を備えた人気ロードモデルで、びっくりするほど足になじみます。僕は今後もずーっとHOKA一筋だと思います。
驚異の厚底シューズです。体重が重い僕には本当にぴったりのランニングシューズ。見た目のインパクトもあっていちばんのお気に入りです。
クロストレーニングを取り入れる
ランニングを始めて3ヶ月ほど経過して、節目であったロードバイクの乗鞍ヒルクライムも終えた後は、ランニング中心のトレーニングメニューに切り替えました。
走る距離はどんどん伸びていき、トレーニング開始から4ヶ月後には20km走れるようになっていました。
しかし、無理に距離を伸ばし続けたのが原因で、右股関節の痛みに悩まされることになります。
病院に行って診断してもらった結果は「関節に異常なし」。どうやら、足と体幹の筋肉を繋ぐ腸腰筋が炎症を起こしたのが原因のようでした。
歩いても右足の付け根にズシンとした痛みが走り、まともに走ることができなくなってしまいました。しばらく安静にして、1週間ほど休み痛みがマシになって走るとまた再発・・・ランニングのできない日々が続きました。
そんな時、走ること優先でしばらく休んでいたロードバイクのローラー台トレーニングを試しにしてみたら、なんと痛みが全く無いではないですか!
どうやら、ランニングと自転車では使う筋肉が全然違うことに気付きました。
僕のロードバイクのフォームはお辞儀フォーム。体重を利用して引き足を使わず足を重力に従って踏み下ろすフォームです。
ランニングで痛めた筋肉は、主に足を引き上げる時に使う腸腰筋。自転車は体幹の筋肉で体重を支えて慣性でペダリングするので腸腰筋はほとんど使用しません。
これに気づいた後、クロストレーニングについて知ることとなり、1週間のトレーニングメニューにランニンングと自転車をそれぞれ組み込む方法に変更しました。
これにより、筋肉の使用を分散させることで特定の筋肉の身に負担がかかることを回避することができるようになりました。
さらに、トライアスロンのレジェンド「マーク・アレン」氏のトレーニング理論と、TABATAトレーニングに代表される「HIITトレーニング」をメニューに組み入れ、現在のトレーニングメニューが完成しました。
1週間のトレーニングメニュー
月 | 休息 |
火 | HIITトレーニング(Zwiftカスタムトレーニング 20秒全開10秒レスト×8) |
水 | ローラートレーニング(Zwiftインターバル(SST MED)1.5時間) |
木 | ショートランニングorトレラン(レースペース10km) |
金 | ロングスイミング(クロール2km) |
土 | ロングライド(LSD60〜100km) |
日 | ロングランニング(LSD20〜25km) |
ハーフマラソンに初挑戦!
トレーニングメニューが整って1ヶ月後、初のハーフマラソンに挑戦しました。
実戦の場は2019年12月8日の亀岡ハーフマラソン。トレーニング自体は7日前の日曜に20kmのロングランニングを行った後は、ウォーキングをメインに休息日としました。
大会へのエントリー数は3000人を超える盛況。果たして自分はどこまで走ることができるのか・・・
今回心に決めていたのは「自分のペースを守る」。周りのペースに惑わされず、ひたすら一定のペースでゴールまで走ることです。
ランニングウォッチには「1km何分ペースで走っているか」という表示がリアルタイムに表示されます。今回目標にしたのが「1km5分45秒」というペース。つまり、ハーフマラソン(約21km)を2時間で走るペースです。
心拍数は160程度をキープして2時間走る。練習では達成したことがないペースですが、これに挑戦することにしました。
スタート前にしたこと
スタート前にしたことは「できるだけ前からスタートする」ということ。
ランニングを始めてBSNHKの「ランスマ」を見るようになったのですが、後ろの位置からのスタートは混雑とスタートラインが遠いということでタイムに悪影響が出ると紹介されていました。
マラソンのタイムには、スタートの合図から計測されるグロスタイムと、自分がスタートラインを超えてから計測されるネットタイムがあります。今回の亀岡ハーフマラソンはグロスタイムが基準になりため、列の後方からのスタートはその分不利になります。
もちろん、最前列あたりは招待選手など本気で早い方達が並ばれるので、今回僕はA〜Fブロックの中で前から2番目のBブロック後方に並んでみました。
その位置に並ぶには必然的に30分ほど前から列に並ぶことになるので、列に並んでから入念にストレッチを行う余裕が生まれました。
スタート!
スタート5分前くらいから、初めての緊張からか徐々に心拍が上がってきました。
スタート直前にはそれが170台になり、そのままスタートの号砲を聞きました。周りのペースに流されまいと思っていましたが、スタートから2km地点まではキロ5:00ペースで走ってしまうことに。
それ以降は集団がばらけたので目標のキロ5:45ペースをキープ。しかしここで誤算が。心拍数が178前後から全く下がらないのです。
178といえばほぼ最大心拍数。ここで心拍を下げるためにペースを落とすか、それともペースをキープするかの決断を迫られることになります。
そして僕がとった行動は・・・
一か八か、このペースを維持して行けるところまで行こう!
というものでした。
普通考えたら最大心拍数あたりで2時間持つわけがありません。ですが、意外と体も呼吸もキツくない。とりあえず持つところまで走ってみようと走り続けて、4km、5km・・・10km・・・15kmまでペースを維持することができました!
その間ずっと心拍数は178前後。折り返しを過ぎて下り坂を終え、ラスト5kmまでどうにかたどり着きました。
地獄のラスト5km!!!
ラスト5km、実家の沿道から妻が撮ってくれた動画です。もう体幹ブレブレ。肩も頭も上下してフォームもぐだぐだです。
とにかくキツイ!!!!
ここにきて心肺機能が限界を超えました。相変わらず178前後をキープしていますが、足がめちゃくちゃ重くなってきて、体のあちこちが悲鳴を上げています。
幸い、心配していた膝や股関節の痛みは出なかったのですが、上げ過ぎた心拍数のツケがここに来てやってきました。
ここからの残り5kmは本当にしんどく、遠く感じました。
残り3kmでペースを維持するのも不可能になり、残り2kmでは歩くことへの誘惑が頭の中でいっぱいに。残り1kmは本当にただ意地と根性だけで歩かず走り続けました。
競技場に戻ってのラスト500mは、人生の中で一番長い500mだったと思います。
そして・・・
感動のゴール!!!
ゴールと共に倒れ込みました。
SUUNTOの記録を止めて、3分ほど芝生で倒れていました。ゴール直後から筋肉痛の痛みが足に発生し、どうにか起き上がりゴール後の受付を終わらせたあたりで心肺系は元に戻りました。
記録は2時間6分。参加者3000名中442位と、終わってみれば目標を大きく上回る素晴らしい結果となりました。そして結局、スタートからゴールまで一度も心拍数は170を下回ることがありませんでした。
初ハーフマラソンを終えてみて
トライアスロンへの挑戦から始まったこのハーフマラソンへの挑戦。トレーニング方法も試行錯誤しながらでしたが、間違ってはいないと確信を持ちました。
クロストレーニングとHIITとLSDを組み合わせることで、持久力と瞬発力を同時に鍛えることができるということが実証できたと思います。
短時間インターバルと低強度トレーニングを組み合わせることで、関節や筋肉に負担をかけず、結果怪我をしないでトレーニングを続けられるはずです。
40代以降は一度怪我をすると治るまで若い頃の何倍も時間がかかります。今回も股関節の怪我から回復するのに1ヶ月かかりました。
できるだけ怪我をせず、地力をつけることで全体の底上げを行い、少しずつ成長していこうと思います。
40代の皆さん、運動を始めるのはこの年からでも全く遅くはありません!自転車とランニングを組み合わせて怪我なく安全にトレーニングしましょう!
僕の目標は42歳で初めて授かった息子と一緒にトライアスロンに挑戦すること!80歳まで現役アスリートでいられるように頑張ります!
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