GOMA始まって最大のピンチ。
ネットがない。
移住した人にはフリーランスのデザイナーが多い気がする
ソロ活動の人はあまり見かけないが、紙面やその他媒体で見かける移住ご夫婦のどちらかが作家さん、もう一方がウェブデザイナーさん、というパターン。ウェブデザイナーは時折ディレレクター、デザイナー、プロデューサーだったりする。おそらく常時移住先にいる訳ではなく週の何日かは都内、”まち”に出ていっているよう。
そこで!京都の田舎、胡麻(ごまと言います。ちょっと自慢。)に移住したGOMAがウェブ屋として日々体験する利点と不便な点をまとめました。移住を考えているデザイナーさん、ウェブ屋さん必見。特にインフラについては致命的な事実に見舞われ、言い方を換えれば手抜かり、また別の言い方をすれば「そうであっても魅力ある場所だった」というポイントをまとめました。
ウェブ屋は移住に向いているのか
答え:自分で仕事を取ってこれるなら、向いています。
本音:田舎にネット環境(もちろんブロードバンド)が完備されてなかったら悲劇
ということで、見事に悲劇を引き当てた私たち。ブロードバンドはありません、もちろんネット環境ありません、そう、職場環境マイナスからのスタート。やるなぁ。
GOMA(ゴーマ)の失敗
実は、というか事前からわかっていて楽観的だったのが、光回線がなかったこと。ここは京都なので、通常(とも言えないのがミソ)NTTひかり・EOネット(関西電力系列)と電線を持っている通信会社が通信網を張りめぐらしています。マンション単位の契約なら、プチュっとTA、モデムなどを接続すれば即利用可、なんてことも。
しかし!なんと!胡麻の、私たちが住む東胡麻エリアだけ空白地帯。
NTTさんも、EOさんも、エリア外。要望書をご近所さんにもお願いして提出していますが今のところ音沙汰なし。さらに、詳しい話によると東胡麻の両端まで回線が来ているそう。つまり家から1キロほど離れた大学や、住宅地にはスイスイブロードバンドがあって、うちにはない。物理的に配線されているので、もどかしいこと限りなし。
気分はこんな感じ。
という訳で次の手を考えてみました。
念押しですが、GOMAはウェブ屋です。
空中の電波を拾ってみる(合法的に)
エリアの広さと柔軟さを期待してモバイルルーターwimax2を使用してみた。だいたい上り1mbps、下り10mbps。
どれくらい遅いかというと、ADSLよりは早い。Google photoへのアップロードがままならず、共有できない。
さらに追い討ちをかけたのが、雨の日など天候が悪い日はシグナル赤、メールの送受信はタイムアウト。コールセンターに申し入れして若干の改善をみたが、GOMAの事務所自体を拠点にすること自体危ぶまれる事態。もう、仕事放棄したいです。
GOMA脱力。
ご近所に相談してみるが、紹介されたケーブルテレビは速度とコスト面で折り合いがつかないので、やはり導入はしない方向で。もどかしさ、増し増し。
そんな時!天の助けが舞い降りた!
僻地向けモデムサービスを導入!
ついでに携帯電話を1台入れ替えする羽目になったのですが、LTEで1ヶ月30GB使える契約を発見!しかもGOMA事務所でも速度がちゃんと出る。wimaxを解約し、乗り換えて嬉しくて、wifiも開放し、今まで滞っていた数々のアップデート、溜まった写真のアップロード、をしたところ・・・・
容量使い切ってネットノマドに
再三ですがGOMAは夫婦でウェブ屋をやっています。
そんな私達がネットを使い切ったら・・・夫はコーダー、デザイナー、妻は企画とライティング。妻はオフラインでもまぁまぁなんとかできないこともないですが、夫は仕事にならない。さらに後で知ったのですが、容量を使い切ったら低速モードになるかと思いきや、低速も低速、超低速で何のページも開きません。ログイン認証でタイムアウト、です。この時まだ月の半ば。後2週間ネットなしでウェブ屋を続ける・・・しかありません!
夫は仕事放棄でスマホ中毒に・・・なりませんでしたが、唯一影響を受けなかったスマホも経費削減で格安スマホにしたので、1GB使い切ったら、500MB=500円で購入という、課金ゲーム状態。
力尽きかけるGOMA。
次なる手は・・・・
飲食店のフリーwifiを利用
日本でもおそばせながwifiサービスを提供する飲食店が増えてきました。スターバックス、マクドナルド、この辺りは知られたところ。また、三大キャリアが提供するWi-Fiスポットも広まって外でPC作業する人には使い勝手は良くなってきています、”まち”では。ここは、田舎。
GOMAから最寄りのスタバ、45km
所要時間1時間、ドドール、タリーズは?ってそういうものはここにはありません。
GOMAから最寄りのマクド、40km
隣の兵庫県まで出勤です。
選んだのはスタバ。選択理由は、「久しぶりに都会っぽいおしゃれな雰囲気がいい。」という私の気持ちでした。というわけで1時間ドライブ。スタバへGO。
メリット
- お店によりますが、ここのお店は仕事目的での電源利用ができました。(京都市内は軒並みNG)
- wifi使用の認証が1ステップ。
デメリット
- GOMAから遠いので結果的にコスパが悪い
ここでいうコスパは、自宅で格安スマホ課金1GB1,000円をテザリング、という条件と比較して、燃料代、飲食代の方が高いという結果です。決してスターバックスが使えないという意味ではありません。TSUTAYA併設だったので、同時に資料として書籍をチェックしたい場合など、また気分転換に向いています。しかし、1時間は手近ではない。
そういうわけで、毎日は使えないという結論に至り、遠出しない方法を模索することに。
市内の公共フリーwifiを利用
GOMAのある南丹市、市内の主要施設や観光施設にはこのようなステッカーが貼られていて1ステップ認証で30分無料で使えます。30分終了したら、またログインしなおしたら使える便利なもの。
実は、転入時に申請をしようとしたのですが、導入サービス・補助が前年度で終了してしまったとのこと。無念。大きな声では言いにくいのですが、ケーブルインターネットより早い。早速近所の公共施設に繰り出しました。
図書館
静か、調べ物もできる!やった!ネットも早い!
しまった・・・電源使用不可。夫のPCは大画面なのでバッテリー消費激しく、電源使用がマスト。私はフル充電で3時間くらい持つので問題なし。
次に向かったのは
駅
日吉駅は駅改札のない小さな駅ですが、市の職員さんが切符販売や案内、清掃もしていて人に優しい駅です。また美山かやぶきの里へ向かうバスも出ていることもあり観光協会のデスクや待合室もあります。恐る恐るスタッフさんに尋ねると・・・
「どうぞどうぞ使ってください。若い人が来てくれて嬉しいな。」
あああああありがとうございます。人の優しさ身にしみる。
ああ、何とかなった。これで月末まで作業できる。
実は、今ココ。日吉駅でブログ記事を書いています。夫は横でメールのやり取りやデザインをしています。公共wifiに助けられ、ウェブのお仕事を1本受注しました(涙)大丈夫です、ウェブ集中して作業するときは安定したネット環境=実家(GOMAから30km)に合宿しに行きます。いつか、公共wifiが導入できる日を夢見て。シェアオフィスで雇用を生み出したり、いろんな化学反応を生み出したいので、公共wifiを夢見ます。
と、ここまでかなり赤裸々に、というかクライアントさんを不安にさせてしまう実情を明かしてしまいましたが、田舎暮らしあるある、が伝えられたでしょうか。
結論 ウェブ屋は移住にまぁまぁ向いている。
まちと田舎は違います。郷にいれば郷に従え、で柔軟であったら何とかなります。物とお金の消費がスピーディな”まち”の常識ではどうにもならないことがあります。ですが、気にせず続けることができたら、それはもう問題ではないんじゃないでしょうか。
何より、色んなことが起こっても最終的には自分のペースで仕事ができ、近くにクライアントさんがいる場合は納品した後の効果測定や、成果を実感、誰かの役に立っているという気持ち部分での充実が何よりモチベーションになります。ない場所に需要を生み出すおかしみも、あります。
私達みたいに愉快な毎日も、また新しい発想を生む何かに変わるかも!
移住を考えるウェブ屋さん、ぜひ前向きに考えてみてくださいね。
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