空き家改修は本当にお得なのか?実際にやってみました。

こんにちは、京都府の中部、ほどよい田舎の日吉町胡麻(ごま)という地域に移住&起業したGOMA(ゴーマ)東裏(ひがしうら)です。
移住をビジネスの核としていて、現在私たち夫婦とご縁のあった友人をスタッフとして巻き込んだプロジェクトを運営しています。愛称はクマさんときのこです。

さて、移住についてです。ホットな話題で「移住」というと

周りがあれこれ聞いてくれる時代です。とはいえ、実行に移すにはあれこれ課題や難問、気持ちの整理が必要でしょう。特に収入や支出面といった経済的な面での不安は色々ありませんか?
そこで、実際に空き家を改修して住み始めたGOMAの事例を紹介します。

空き家バンクで物件探し

ちょうど竣工の1年ほど前、田舎に住みたいなぁと将来の夢混じりで言っていたクマさんと、都会で働くストレスから逃げ口上のように言っていた私(きのこ)はとりあえずインターネット上で物件を見ていました。おそらく二人の本気度はそれほど高くなかったと思います。
「将来どんな家に住みたい?」
「どんな暮らしが理想だろう?」
そんな会話です。私の条件はただ一つ、”平屋であること”でした。余談ですが私は前職で一級建築士資格を持っており、生業とはしていなかったものの、後々いろんな場面でメリットはありました。
話を戻して、軽い気持ちでとりあえず馴染みのある胡麻周辺の空き家バンクを見ていると、なんと平家を発見。早速休みの日にクマさんが写真を頼りに現地周辺をドライブして来ました。
「なんかええなあ。」
とクマさんは感じ、そのまま物件内覧のアポを取っていました。私は都市計画区域外だということを知り自由度が高いことにピンと来て、一回見に行くことにしました。
空き家バンクは、不動産を通さず、行政の担当者さん経由で案内いただけます。物件のあった胡麻は南丹市の担当である定住促進サポートセンターさんにお世話になりました。

前オーナーさんとお見合い

定住促進サポートセンターさんによって、1回目の内覧と所有者さんとの面談が実施されました。
オーナーさんは現在はこの家を離れ、別の場所に住居を構えられ、亡くなられたご両親のこの家を今も大事にされていました。年2回の草刈はもちろん、定期的にお部屋の掃除、空気の入れ替えをされ、10年以上空き家だったとは思えない綺麗なお家でした。もちろん所々に痛みも見られ、家が傾いて建具が閉まらなくなっていたりはありましたが、修繕すれば使えそうでもありました。


聞くと、このお家は戦後まもなく本家から分筆して建てられた家で、建てたのは地元の保育園の初代園長まで勤められた立派な方だったそう。このお家は奥様が最期まで住まれたそうで、随所に生活の跡が見られました。
奥の和室に入り、違い棚に飾ってあった小さな急須を見た瞬間、お茶が好きな私は
「これら(お茶道具)を引き継ぎたい。」
と自然と口にしていました。
すると前オーナーさんが「母は煎茶の先生をしていたんです。」と少し嬉しそうにお話しくださいました。お母様亡き後もお茶の道具は置いておいたそうです。その後もお庭や思い出をお話しいただいたり、こちらの想いを伝えて内覧会は終了。お話はうまくいきそうな予感でした。
購入に際して条件は、売買に関して専門業者を介して行うこと。いわゆる、不動産業者などを介してきちんとやり取りしたいということでした。私たちは、お知り合いを通じて司法書士さんに取引のお願いをして、購入を決めました。
ここで、前出の定住促進サポートセンターさんは一旦手を離れ、GOMAとオーナーさんとの直接やり取りを行います。

補助金がもらえない!?

今や全国に広がる移住促進政策ですが、行政ごとにいろんな補助金や助成があります。当時京都府下では(京都市除く)、空き家改修をすれば上限180万円まで助成が出るという美味しい話がありました。もちろん私たちも申請するつもりで予算を組んでいました。

ところが!

補助金がもらえない。

という事実が判明。原因は、移住施策が成熟して来てほんの数ヶ月の間で条例化されてしまったこと。規制となったため、それまでどのエリアでも申請ができたものが、地域の指定が必要になり、胡麻はエリア全体で見れば近くに大規模な開発があることもあり、指定の予定がないとわかりました。それがわかるまで、京都府と南丹市に問い合わせを何往復もし、こういうことがすぐわかればありがたいのになぁ・・・と残念な思いも抱きました。またそれ以外にも、助成という意味ではIUターンなどがありましたが、共に市街からの移住だったGOMAは行政のサポートはあまり期待できないことがわかりました。

地元工務店に改修相談

沈んでばかりはいられない私たちは、購入の手配と同時期に工務店探しを行いました。見積もりは三社ほど取るつもりで、一社目に本命の工務店のドアを叩きました。
訪ねたきっかけは、大好きなベーカリー、ゾンネウントグリュックさんのドイツ風建築を手掛けられたこと。重厚な内外観と地元という二つのキーワードで興味を持っていました。物件から1キロも離れていない場所にある、三代続く(有)藤岡工務店さんです。

*工務店データ*
昭和11年創業
有限会社藤岡工務店 代表取締役 藤岡裕英
〒629-0311 京都府南丹市日吉町胡麻古津13-1
TEL:0771-74-0241
E-Mail:fujioka-koumuten@snow.ocn.ne.jp
人の和を大切にした家づくりを続けて70年、地元密着型の工務店です。

事例:ベーカリーショップ”ゾンネ・ウント・グリュック作野商店”

直感で依頼

はじめまして、の挨拶もそこそこにとりあえず現場へ直行。
・安全上残していいもの、残せないもの
・きのこは建築関係者であること
・できることは自分たちでやって見たいこと
を知ってもらい、更に三社見積もりも考えていることを伝えました。藤岡工務店さんはややぶっきらぼうな喋り方で、けれど親身に考えてくれ、都心部からの移住者対応も経験があり、頼れる印象でした。だんだんとやりたいことをしっかり伝えられた後は、本題10分、雑談2時間、なんて日も何回かありました(笑)。念のため、予定通りに複数社見積もりを取りましたが、もう心は決まっていました。

よし、藤岡工務店さんに決めた!

下りないローン!

楽しくイメージを伝えて、そろそろローンの申し込みを考えたい頃、お金を借りることが初めてだったGOMAはローンが何たるかも知らずに漠然とした不安を抱えながらも、こんなことが起こるとは全く想像していませんでした。
そう・・・

ローンが下りない。

都市銀行の支店がない南丹市で、都市計画区域外の白地図で言うところの色なしエリアだったので、まず都市銀行は除外して、京都の銀行を大きなところから書類を出していきました。ある程度想定をしていましたが、いろんな要素があわさって、取り合ってくれるところがほとんどなく、悲しみに打ちひしがれました。基本的には、都市計画区域外ということがかなり申請に不利だったようです。

そして、さらに心折れる出来事が起こります。

 

ローンの仮審査が通って本審査に落ちる。

一体全体、誰の顔に泥を塗るのか!?何のための仮審査なのか、何をどう信じていいのかわからなくもなりました。一縷の望みを断たれた瞬間でした。さすがに涙もポロポロ出ました。人生何ら後ろめたさもなく一生懸命生きてきたのに、駄目なのか、と。私は応援してくれていた当時の会社の社長に正直に経過を伝えて、逆に社長を無駄に怒らせてしまうことも。(そりゃそうですよね。)
また、当時結婚していなかったことも、地方の銀行さんにとっては信用の低さを示しているようなものだったようです。結果、ローンが通るまでに半年ほど要しました。

真冬の着手

予定は未定。
物事には想定外のことが起こるもの。
工務店さんに「理想は9月着工の年末竣工で年明けから住み始めたいです。」なんて言っていたのはどこのどいつだ?という感じで、実際には
年明け着工の春頃竣工
というロングスパンに。
さらに

30年ぶりの豪雪

が親切にも手を貸してくれ、現場は遅れに遅れます。工務店さんに聞くと、豪雪の後現場への雪かきから作業を再開されたとか。ありがとうございます。
雪に埋もれた将来の家は何だか寒そうでした(笑)

念願かなった親子DIY

今回の改修をやるにあたってやって見たかったことの一つにDIYがありました。折しもDIYブーム。セルフリノベ(自分で部屋の機能を変えるリフォーム)も流行っていましたがクマさんには秘密兵器がありました。その兵器の名前は

父。

そう、クマさんの実父です。自宅のデッキや専用ガレージを作った父は、GOMA改修の要で設計段階から常套句のように「そこは父がやります」「はい、父ならできそうです。」とここかしこに登場。外壁、床貼り、何でも来い!です、本人には事後承諾で全てOKしていただきました。見積もり上、多少のコストカットが叶います。

豪雪の雪かき。後ろに見えるガレージが父作。

実際には、家を見て鋭い目線で、手をつけないでそっとしておこうと決めたあちらこちらを直し、遂には庭に登り口まで拵えてしまいました。スーパースター過ぎる・・・。

セルフリノベを超える?!

その一例がこちら。

父は材料の調達から本格的。
まず山に入ります。
倒木の中から材として使えるものを選定し洗います。
その後カットして土留め、杭、手すりとして準備し、現場合わせでほらこの通り。

ご近所さんに現場を見てもらった時には何軒か頼まれてました。(笑)
現場で現場の職人さんと間違われたお父さん、本当に良いものができました。

クマさんも念願の親子でDIYができて、嬉しい限りです。

 

お友達のサポートも!

 

男のDIYはやっぱりカッコいい!

こうやってあれこれトライできたのも良かったなと実感します。今なら言えます。

餅は餅屋。

大工さんはやっぱりすごい。

大工の一言「木の家はやっぱりええなぁ。」

改修工事がはじまった頃、工務店さんに100%の信頼を寄せていたこともあって、現場には週1足を運べば良い方でした。どんな人が現場に入ってどんな工程で進んでいるかも完璧には把握しておらず、そういった意味で現場を知らない状態でした。
ところが、工事がどんどん進み、自分たちで作ります!と豪語した工程が遂にやってくると、状況が変わりました。
DIYの部分については材料調達だけをお願いしたのですが、やはり道具を借り、職人さんの知恵を借り、手間取る私たちを見かねてちょっと手伝ってもらったり、気付けば同じ部屋でそれぞれ作業していることもあり、一緒に休憩している時に職人さんがふっと口にしたのが
「木の家はやっぱええなぁ。」

でした。
当たり前といえばそれまでですが、職人の誇りを垣間見た感じがしました。
私たちはあまり細かい寸法の指定をしなかったので、お任せになる部分も多々ありましたが大工さんの仕事が随所に感じられる仕上がりは嬉しいものです。

春うららの完成

楽しい時間には終わりが来るもの。毎週末必死ながらも楽しんだ現場作業が終わりを告げる頃、私たちは本拠地をこちらに移すことを決めました。実際には、竣工までには工程が残っていたのですが、早く地元に溶け込みたい一心で無理を言って住みはじめました。住みはじめて気づくこともまた、多く、追加工事を今やったりもしています。ご近所さんに見に来てもらったり、郵便局さんに家を知ってもらったり、そうこうしている間に田植えシーズンが到来し、目の前の殺風景だった田畑も急に大にぎわいです。

コミュニティスペースからは庭木の緑が目に飛び込み、ついつい時間と仕事を忘れます。夏は昼寝スペースとして活躍すること必須。

工期はいろんな要素で遅れましたが、結果オーライです!

 

果たして古民家改修はお得だったのか

紆余曲折過ぎる1年を過ぎた頃、GOMAは完成しました。まだ住みはじめて1ヶ月のため季節ごとのコストが未確定な部分もありますが、一旦検証をして見たいと思います。元々、東京・大阪・京都市内で都市型の生活を送っていたので、その観点からの経済比較です。

Good! お得だったのは物件取得にかかる費用

  1. 既存建築物がほぼ価値ゼロだった
  2. 土地の評価価格が低かった
  3. 空き家バンクを利用したことで仲介等にかかるコストを削減
  4. 下水道が完備されていた

ソフト面では、

  1. 日々のストレスが激減
  2. 朝すっきり目がさめる
  3. 鳥の声、自然の風景や水の流れる音などでリラックス効果

Bad! 予算オーバーは生活にかかる費用

  1. インフラが進んでおらず、ブロードバンド化されていない
  2. 都市ガスがない
  3. コストカットで既存建築部分は冬の対策が必要
  4. 取得した土地が広く、管理するのが大変
  5. 便利ではない
  6. 移住に係る助成制度の条件が合わなかった/なかった

ソフト面では

  1. 地元のルールにはじめ戸惑う
  2. 物事が進むスピードに戸惑う

郷に入れば郷に従え、という言葉を実感します。悪いことではないですね。

元玄関は、ワークスペースに。

 

暖炉のある部屋が自慢です!

もっと知りたくなったあなたはオープンハウスへ

というわけで無事住みはじめたGOMA。ここには書ききれない苦労やこぼれ話、住まいに関する真面目な相談もしていただけるオープンハウスを開催します。もちろん設計施工の藤岡工務店さん、暖炉の美山ウッドエンジニアさんともに一度にお話しを聞けるチャンス。
将来移住も検討したい方、お家を建てることに興味がある方、そんなあなたにお伝えできることを楽しみにお待ちしています。

美味しい紅茶と手作りお菓子をご用意しています。(数量限定)

大きなヒノキが目印です。


————————————————–
「GOMA古民家改修」オープンハウス案内
○日 時:2017年5月20日(土)、27日(土) 10:00 ~ 16:00
○住 所:京都府南丹市胡麻大戸15−1
○アクセス:京都縦貫道園部ICから15分(Google MapでGOMAで検索してください。)
※ 現地は駐車スペースに限りがございます。できるだけお乗り合わせの上、ご来場いただけますようお願いいたします。
※ 現地はすでに居住しています。そのため多少の使用感がありますのであらかじめご了承ください。

*GOMAの家概要*
所在地:京都府南丹市日吉町胡麻
工事種別:増改築及び修繕
用途:住宅兼事務所及び宿泊施設
構造規模:木造平屋建て
敷地面積:600㎡
施工床面積:150㎡
施工期間:2017年1月〜4月
設計・施工:(有)藤岡工務店(20日、27日)
ガス設備工事:伊丹産業(株)
給排水設備工事:富設
電気設備工事:(株)ミヤジマデンカ
暖炉設置工事:(株)美山ウッドエンジニア(20日のみ)
その他証明・家具等:IKEA他
一部外構工事及び内装工事:施主とお友達

オープンハウスお問い合わせ

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

お問い合わせ内容

確認画面は表示されません。上記内容でよろしければチェックを入れてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*